コロナやウクライナ問題に関連する資源高騰など、波乱相場だからこそディフェンシブ銘柄を見直します。
「通信/日用品・小売/医薬品/運輸/電力・ガス/食品・飲料」セクターの中で今回は運輸を見ていきます。
(断りが無い限り5/9時点のデータです)
ANAホールディングス(9202)
基礎データ
株価 | 2585.5円 |
PER | 55.57倍 |
PBR | 1.46倍 |
配当利回り | 0.0% |
年初価格 | 2442.5円 |
年初からの 上昇率 | 5.9% |
株価チャート(10年)
株価チャート(1年)
日本を代表する空運大手の一社ですが、コロナ影響を大きく受け業績は1158億の赤字(前年度は3624億の赤字)と影響は極大です。
ここ数年は無配となっており、まだ配当期待は出来ません。その割に株価は持ちこたえている方で、今後の回復期待が大きいと思われます。
世界情勢が落ち着いておらず、燃料高やLCCとの競争などマイナス要素が目立つため、少なくとも配当がある程度戻るまでは様子見が良いです。
日本航空[JAL](9201)
基礎データ
株価 | 2212円 |
PER | 21.48倍 |
PBR | 1.21倍 |
配当利回り | 0.0% |
年初価格 | 2185.0円 |
年初からの 上昇率 | 1.2% |
株価チャート(10年)
株価チャート(1年)
傾向はANA同様ですが、PERやPBRの指標はJALの方が良いです。厳しい情勢が続きそうではありますが、どちらかを買いたいと悩んでいるならJALの方が投資冥利はありそうです。
東急(9005)
基礎データ
株価 | 1597円 |
PER | 96.2倍 |
PBR | 1.34倍 |
配当利回り | 0.94% |
年初価格 | 1548円 |
年初からの 上昇率 | 3.2% |
株価チャート(10年)
株価チャート(1年)
陸運大手の一角ですが、鉄道系は保有する不動産とセットで考える必要があります。鉄道単体では見れないため、ディフェンシブ銘柄の中でも複合型な点は注意です。
鉄道事業自体は不振が続きますが、不動産は好調で黒字幅は拡大しています。鉄道も値上げ申請中で通れば更に業績改善も見えてるため、株価は復調傾向です。
東日本旅客鉄道[JR東日本](9020)
基礎データ
株価 | 6781円 |
PER | 42.62倍 |
PBR | 1.07倍 |
配当利回り | 1.47% |
年初価格 | 7066円 |
年初からの 上昇率 | -4.0% |
株価チャート(10年)
株価チャート(1年)
こちらも鉄道の不振を不動産がカバーする形で赤字幅を縮小しています。ただし指数的には割安感は無いため、現状は手を出しにくい銘柄です。
近鉄グループホールディングス(9041)
基礎データ
株価 | 3830円 |
PER | 20.86倍 |
PBR | 2.16倍 |
配当利回り | 0.67% |
年初価格 | 3270円 |
年初からの 上昇率 | 17.1% |
株価チャート(10年)
株価チャート(1年)
近鉄も東急同様に運賃値上げを申請中、通れば業績大幅回復と言った所です。
安く売られすぎていた面もあり戻し中という所で、投資対象にする場合はタイミングを見計らう必要がありそうです。
日本郵船(9101)
基礎データ
株価 | 9810円 |
PER | 1.78倍 |
PBR | 1.6倍 |
配当利回り | 12.26% |
年初価格 | 9140円 |
年初からの 上昇率 | 7.3% |
株価チャート(10年)
株価チャート(1年)
近年市場をざわつかせている海運大手の一角で、株価はバブルの様相を呈しており、およそディフェンシブ銘柄と言えなくなりました。
コンテナ運賃高止まりに加え需給改善も暫く見込めないため、短期的には好調が続きそうですが、現在の株価のまま長期で持つのは危険なため、投資対象にするにしても短期になるかと思います。
商船三井(9104)
基礎データ
株価 | 3275円 |
PER | 2.37倍 |
PBR | 0.93倍 |
配当利回り | 10.64% |
年初価格 | 3033円 |
年初からの 上昇率 | 7.1% |
株価チャート(10年)
株価チャート(1年)
こちらも海運大手の一角で、2023年3月度は3割減益見通しとの発表があったにも関わらず勢いは落ちていません。
日本郵船同様に短期勝負になるかと思います。
まとめ
この記事ではディフェンシブ銘柄の運輸セクターを取り上げました。
コロナ影響が直撃し暫く復活が見えない空運、鉄道事業の不振を不動産事業の総合力でカバーしている陸運、バブル状態の海運と、いずれも状況箱となりますがとてもディフェンシブ銘柄とは言えない状況になっています。
安定性を求める方にはおすすめ出来ない状況ですが、一発逆転を狙う方には魅力的な銘柄とも言えそうです。
次回は電力・ガスセクターを見ていきたいと思います。
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