投資においてバランス良くポートフォリオを組みたいと思った時に候補となる債券。
株に比べると相対的にリスクの低い債券ですが、債券の中でもリスクの高低はあり、「金利リスク」「信用リスク」によりコントロール可能です。
この記事で紹介するSHYはどちらのリスクも少ししか取らない、低リスクな商品ですが、注意点もありますので、それも含めてまとめていきます。
差を見るため、”iシェアーズ米国国債1-3年 ETF”(SHY)と、総合債券ETFであるAGGを比較しながら見ていきます。
基本情報
SHY | AGG | |
運用会社 | ブラックロック | ブラックロック |
投資地域 | アメリカ | アメリカ |
設定日 | 2002年7月22日 | 2003年9月22日 |
投資対象 | 米国債 | 米国投資適格債券 |
保有銘柄数 | 91 | 9597 |
信託報酬 | 0.15% | 0.04% |
直近平均 利回り(※) | 0.90% | 2.25% |
標準偏差 | 1.2%(3年) | 3.51%(3年) |
配当 | 毎月 | 毎月 |
基準価額 | 86.17 | 114.55 |
※直近平均利回りは2020年1-12月総配当額を前年末株価で割った値
特徴的なのは標準偏差です。
投資対象が1年以上3年未満の国債に限定されており、とても安定した値動きになります。リスクも利回りも低めな、ローリスク・ローリターンの商品です。
投資先格付け
SHYは米国債しか対象にしていないのですが、どのくらい違うかAGGと比較してみます。

SHVは米国債だけなので、AAAが100%となっています。
投資対象は1年以上3年未満の物に限っており、平均残存時間(運用期間)は1.97年です。
参考まで比較対象のAGGは、格付けAAAの物が70%、平均残存時間は8.1年、そのうち5年未満が50%となっており、こちらも比較的短期ですが、SHYがいかに短期・安定に寄せているかが分かります。
投資先
こちらも非常にシンプルですが、同様にAGGと比較してみます。


AGGも国が発行する債券(財務省+モーゲージパススルー証券)の割合が65%を占め、非常に安定的であることが分かりますが、SHYはすべて政府債券なので、投資先信頼度はSHVが上となります。
手数料
SHY:0.15%、AGG:0.04%
保有銘柄はSHYが91、AGGが1万弱と、これだけ見るとAGGの方が高くならないとおかしく見えますが、AGGは債券ETFの看板商品でもあり、手数料競争が厳しい事も影響しているかもしれません。
仮に1000万円分保有していたとすると、SHYの手数料は年額15,000円です。
配当額
2020年から過去10年の配当額の比較です。
SHY | AGG | |
2020年 | 0.94% | 2.25% |
2019年 | 2.12% | 2.86% |
2018年 | 1.72% | 2.65% |
2017年 | 0.98% | 2.35% |
2016年 | 0.72% | 2.40% |
2015年 | 0.54% | 2.41% |
2014年 | 0.36% | 2.48% |
2013年 | 0.26% | 2.23% |
2012年 | 0.37% | 2.97% |
2011年 | 0.81% | 3.30% |
平均 | 0.88% | 2.59% |
手数料が0.15%なので、赤字にはならないとはいえ、配当目当てとしては厳しいと思います。現金よりはマシと考える程度でしょうか。
値動き
まずは15年間の値動きを見てみます。

AGGも動きがかなり少ない方ですが、比較するとSHYの値動きがかなり少ない事が分かります。SHY単体でも見てみます。

グラフで見ると多少波があるように見えますが、実際には$79-$86の中での動きであり、19年で$7しか動いていないです。また$84近辺に張り付いている期間が多く、値動きは少ない銘柄で有ることが分かります。大きく値が動いているのは2007年6末頃と、2018年10月頃で、米国10年金利が大きく動いたタイミングです。
債券は長期金利と密接な関係にあるため、このあたりは「米国金利と債券動向の関連性をまとめました」の記事を参照ください。
一応暴落時の動きも見てみます、まずはリーマンショック時です。

全く動きはありません。次にコロナショック時です。

こちらも全く値動きはありません。
投資タイミングに注意
世界的に安定している米国債を対象にしているので信用リスクは無く、また短期債が対象なので金利リスクも少ないSHY。そこでの判断基準は金利になります。
金利と債券は相関関係にありますので、シンプルなルールに従えば次のようになります。
・金利が大きく上昇している局面では、長期債券は売られやすい。
・同様に、金利上昇局面では長期債券から短期債券に乗り換える動きが出てくる。
実際に20年超の米国債を対象にするTLTのような長期債券はこの一年の急激な金利上昇で大きく値を下げていますが、SHYは上げています。
これから「米国の長期金利は上がる」と見るなら値上がり益を期待してSHYを持つというのも選択肢の一つになると思います。
まとめ
改めて特徴をまとめると次のようになります。
・投資先の格付けは最高レベルで不安無し
・金利リスクも短期なので取らない。
・値動きは、かなり少ない。
・総じてローリスク・ローリターンな商品
元々値動きの少ない銘柄で、ローリスク・ローリターンですから大損・大利益になりにくい銘柄ではあるものの、現金を持ち続けるのと比較して配当がある分有利です。投資するにあたっての判断基準は、やはり米国の長期金利動向次第ということになりまずが、これから長期金利は上がっていくと考える方にとっては選択肢の一つに成り得ると思います。
外国債券の記事は他にもまとめていますので、次の記事も参考にしてみて下さい。
[年利2.25%]海外債券ETF代表格[AGG]は魅力が一杯!懸念点も正しく理解する
[年利:2.5%]海外債券ETFを買うなら[BND]?詳細をまとめました
[年利:2.54%]海外債券ETFを買うなら[SPAB]?詳細をまとめました
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