通常、投資を行っている方でも、全額投入は行わず余裕資金を持っていたり、何かあった時の備えに現金で保有しているというケースは多いと思います。
“投資商品には回したくないけど、普通口座で持っているだけの資金を活用したい”人向けの活用方法になります。
やること
やることは次の3つです。
(1)GMOクリック証券口座を持つ+GMOあおぞらネット銀行口座を持つ+証券コネクト口座を持つ
(2)GMOフィナンシャルホールディングスの株を持つ
(3)証券コネクト口座に一定額を保有する
(1)の証券コネクト口座の年利が0.11%、(2)+(3)の組み合わせで最大年間3万円貰えるため、最も利回りの良い金額で年間33,300円獲得出来ます。
次から詳しく見ていきます。
(1)GMOクリック証券口座を持つ+GMOあおぞらネット銀行口座を持つ+証券コネクト口座を持つ
この仕組みで得られる金額は0.11%/年です。
300万預金があるとすると3,300円/年となります。
証券コネクト口座とは銀行口座の一種で、証券会社と連携した円普通預金口座です。
証券会社側としては、銀行口座と繋げる事で投資にお金を回しやすくしようという意図と、もし信用取引を行うようになってくれた場合は損が出た時に回収しやすくするという意図があると思われます。
人を呼び込むため、この口座に預け入れた預金は利率が高い事が多く、GMOの場合は0.11%(メガバンク比較で110倍の金利)となります。
最近ライバルの楽天銀行+楽天証券での同じ仕組み(名称:マネーブリッジ)での利率が0.1%(金額制限無し)から0.1%(300万まで)に変わったので、現状この仕組みで最も割の良い普通預金口座はGMOになりました。
証券コネクト口座の開設=投資が必須、と言う訳ではないため、単にこの0.11%の利率を求めてこの仕組みを活用する事も可能です。
(2)GMOフィナンシャルホールディングスの株を持つ
GMOフィナンシャルホールディングスの株主優待に「証券コネクト口座の平均残高に応じてキャッシュバック」という物があり、これを活用します。
※GMOは複数の会社を上場しているので、似た名前の会社に注意してください。この優待を実施しているのは「GMOフィナンシャルホールディングス(7177)」になります。
保有株式数とキャッシュバックの関係は次の通りです。半年に一回優待が届くので、実際には次の金額の2倍が年間キャッシュバック額となります。
保有株式数 | キャッシュバック率 | 最大キャッシュバック金額 |
100株以上300株未満 | 0.10% | 3,000円 |
300株以上500株未満 | 0.15% | 5,000円 |
500株以上1,000株未満 | 0.25% | 7,000円 |
1,000株以上3,000株未満 | 0.35% | 10,000円 |
3,000株以上5,000株未満 | 0.45% | 13,000円 |
5,000株以上 | 0.50% | 15,000円 |
GMO株の基本情報は次の通りなので
株価 | ¥802 |
売買単位 | 100 |
最低購入金額 | ¥80,200 |
PER | 10.01倍 |
PBR | 2.24倍 |
1株配当額 | ¥40.04 |
年間配当額 | ¥4,004 |
配当利回り | 4.99% |
※2022/2/22時点の情報
キャッシュバックを貰う際に必要な投資金額は次の通りとなります。
投資金額 | キャッシュバック率 | 最大キャッシュバック金額 |
80,200円 | 0.10% | 3,000円 |
240,600円 | 0.15% | 5,000円 |
401,000円 | 0.25% | 7,000円 |
802,000円 | 0.35% | 10,000円 |
2,406,000円 | 0.45% | 13,000円 |
4,010,000円 | 0.50% | 15,000円 |
最大キャッシュバックを受け取ろうとすると株への投資金額がかなり大きいですね。
一方8万程度の投資でも0.1%分のキャッシュバックを受け取る事が可能です。
GMOフィナンシャルホールディングスは配当利回りが相当高いため、優待が無かったとしても保有推奨出来る銘柄です。
(3)証券コネクト口座に一定額を保有する
一定数以上の株式を保有して株主優待を取得出来たら、後は証券コネクト口座に普通預金として預け入れます。
証券コネクト口座平均残高の計算式は次の様になっており、特定の日だけでなく全期間で入れっぱなしにしておく必要があります。
株主優待対象期間中の日次の証券コネクト口座残高の合計額÷ 株主優待対象期間の日数
最大キャッシュバックを受けようと思った時に必要な預け入れ金額は次の通りです。
預け入れ金額 | キャッシュバック率 | 最大キャッシュバック金額 |
3,000,000円 | 0.10% | 3,000円 |
3,333,334円 | 0.15% | 5,000円 |
2,800,000円 | 0.25% | 7,000円 |
2,857,143円 | 0.35% | 10,000円 |
2,888,889円 | 0.45% | 13,000円 |
3,000,000円 | 0.50% | 15,000円 |
多少のバラつきはある物の、概ね300万前後になっています。
楽天のマネーブリッジ設定でも300万を境に利率を変えているので、証券会社的には300万が幅広く人を集めるためのボーダーラインと考えているように見えます。
リスクについて
この方法にもリスクがありますので、それも説明します。
(1)株主優待廃止
あくまで優待なので、株式を保有してくれた人に対するおまけという見方も出来ます。
継続・廃止は企業側の自由なので、廃止されたらしょうがないと思うしかありません。
(2)株価の値下がり
株は業績や周辺環境によって値動きが大きいです。
この方法は仕組み上株式保有が必要なので貰える額より値下がり幅が大きいと損をする事になります。
GMOフィナンシャルホールディングスの5年チャートで見てみると、コロナ時期に大きく値を下げた以外は大体700-800円付近を行ったり来たりしている事が多いです。
GMOインターネットグループの金融持株会社なので投資熱が盛り上がると業績が上がる事が多いですね。
優待として見た時の魅力
キャッシュバック率は最大でも0.5%ですから、優待利回り0.5%とも考える事が出来ます。
他にも優待利回りの高い会社はあるのでイマイチに思う方もいると思いますが、魅力もあります。
(1)現金で貰える
通常、優待で貰える物は、自社製品や関連ギフトなどであり、xx円相当となっていてもそれほどの価値は無い事が多いです。
定価基準であるため市場では割引で買える事もありますし、どうしても欲しい物ではない事もあります。
一方、こちらは現金キャッシュバックなので額面そのままで受け取る事が出来ます。
(2)保有額が多いほど利回りが増す
通常、優待は自社製品の紹介や、自社で消費して貰って売上に貢献する事を目的としている事も多く、個人株主に少額・多数の人に幅広く持ってもらう施策という側面もあります。
そのため保有株数が最小単元の時に最も利回りが高くなる事が多く、買い増しするほど利回りが下がっていく事になります。
一方GMOの場合は限度はあれど保有数が多いほどに利回りが高くなるため、株価が下がっても買い増しする事の障壁になりません。
まとめ
今回は、”投資商品には回したくないけど、普通口座で持っているだけの資金を活用したい”人向けの方法を紹介しました。
まとめると次のパターンで活用が期待出来ます。
(1)株(投資商品)への投資はNGな方
GMOフィナンシャルホールディングスの株を買わずに証券コネクト口座のみ利用する事で、0.11%/年の利息を受取る事が出来ます。ただ、あおぞら銀行は個人向けサービス”BANK”を実施していて、普通預金0.2%であるため、絶対に投資商品に使いたくない、という方はBANKを利用された方が利回りは良いです。
(2)株も多少やっても良いと考えている方
最大キャッシュバックは400万近くの株購入+300万の預金預け入れで計700万の資金が必要でハードルが高いです。
ただ株購入は100株・8万から効果があるので、例えば308万の資金がある方は100株購入(8万)+300万預け入れで、3,300円/年(預金利子)+4,004円/年(配当)=7,304円/年を獲得する事が出来ます。
(3)株への投資を実施している方
100株から始めたとしても、300・500株くらいは手が届きそうな範囲です。
配当利回りも高いため、長期保有前提で投資対象にするおまけにキャッシュバックを貰うという考え方が出来ます。
余裕資金がある方にお勧めです。
投資に回せない余裕資金を普通預金に置くだけではもったいない、と考える方には一つの活用方法になるのではないでしょうか。
条件に合致する方がいたら是非検討してみてください。