債券に投資する上では、理解しておいたほうが良い米国金利と債券の関連性について、深堀りしてまとめました。この記事では、米国債券ETFの中でも代表的なiシェアーズ・コア 米国総合債券市場 ETF[AGG]をサンプルに見ていきます。
AGGを分析した記事は、こちらに別途まとめています。
2021年5月までのおさらい
米国金利と債券動向の関連性をまとめました(2021年5月版)参照ですが、ポイントのみ抜粋します。
米国10年債の直近15年の推移
大きい流れとしては、金利は下落傾向ですが底を打って上昇しています。ポイントとしては、図中に丸で囲んだ点になります。
2007/6/29->2008/12/30で落下が一段落
2010/3/31->2012/07/31で落下が一段
2016/9/30->2018/10/31で上昇が一段落
2018/10/31->2020/07/31で落下が一段落
AGGの推移
これらのタイミングでAGGがどういう値動きをしたのか見てみます。
金利が下がったタイミングではAGGが上げ、金利が上がったタイミングではAGGが下げていることが分かり、10年債との比較では綺麗に相関関係が見て取れます。
次に、気になる”？”の部分がどうなのかを見ていきます。
直近6ヶ月の動向
まずは米国10年債の6ヶ月(1月末～6月末)のチャートです。
2021/3/30には1.776%まで上昇、その後5/13に1.7%台に復帰したこともありましたが、波がありながらも緩やかに下降している傾向にあります。
2020/7月に0.5%ほどだった金利が、1.7%まで急上昇し、このまま上昇するかという所で一旦ブレーキが入った印象ですが、値動きが大きいタイミングも随所に見られ引き続き注視が必要です。
次にAGGの6ヶ月(1月末～6月末)のチャートです。
3/30に向けては金利がかなり急上昇しており、AGGは反面下落となっています。下落率は3.8%ほどでAGGにしてはかなり大きい物になっています。
その後、金利は緩やかに下落していますので、AGGも緩やかに上昇しています。
直近1ヶ月の動向
まずは米国10年債の1ヶ月(5月末～6月末)のチャートです。
6/17のFOMCで利上げが前倒しされるとの思惑から急上昇しましたが、その後利上げは急がないとの姿勢が示され、下落傾向にあります。
次にAGGの6月のチャートです。
月間の値幅では1.3%程度ですが、数日で大きく値が動いている箇所があるのが気になりますね。
まとめ
5月の段階では1.7%台に復帰する場面も見られ、上昇の気配もありました。6月はFOMCによる急変動もありましたが、最終的には緩やかな下落を維持しています。
最近は値動きのあるイベントも多くなっており、長期金利の転換点の可能性も残っていて、方向性がまだ完全に見えていませんので引き続き注視が必要です。
今後も定期的に情報を更新していきます。
