FIREの成功率を色々な条件で検証

FIRE
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FIREの成功率を検証出来る、FIRE Calcツールの使い方についてはこちらの記事を参照下さい。
この記事では条件を変えながら、どのくらいの成功率になるか見ていきます。

シミュレーション条件

・夫婦二人共働きで子供無し
・現在35歳、42歳(勤続20年。7年後)でリタイアする
・90歳まで生きる(=あと48年生きる。平均寿命から85歳程として、少し余裕を見る)
・金融資産は開始時5000万
・年間支出は388万(全国平均より)
・年金は退職後も払い続け、年間100万*2人=200万。65歳(30年後)から受給開始
・インフレ率は1%予想だが、将来の様々な増税を考慮して2%と置く
・将来の支出は”Bernicke’s Reality Retirement Plan”を選択
・金融資産や購入・売却時の手数料は0.5%
・ポートフォリオのリターンは4%、変動率10%
・退職金は800万
・確定拠出が400万あるとする
・リタイア後に金融資産以外の収入は無し

こちらをベースに条件を変えていきます。成功率はいずれも10回実行した時の値です。

(1)ベース案

計測例:32.5%時のグラフ

最低:10.3%、最高:46.8%、平均29.9%
振れ幅が大きく、成功率30%でかなり厳しいです。

(2)ベース案から資産7000万に変更

計測例:69.5%時のグラフ

最低:53.2%、最高:74.9%、平均62.8%
成功率はだいぶ上昇しましたが、安定とは言い切れない結果です。

(3)ベース案から資産1億に変更

計測例:92.5%時のグラフ

最低:80.3%、最高:98.0%、平均92.6%
ここまで来ると下振れ可能性があるものの、ほぼFIRE達成出来るのではないでしょうか。

(4)ベース案から資産1.2億に変更

計測例:97%時のグラフ

最低:89.2%、最高:100.0%、平均97.44%
ここまで来ると安泰です。

資産による成功率の変動は見えてきたので、次にポートフォリオのリターン率を変更してみます。

(5)ベース案からリターン率6%に変更

計測例:70.0%時のグラフ

最低:60.1%、最高:70.0%、平均65.1%
資産を増やしていった時と比較して振れ幅が小さい印象です。

(6)ベース案からリターン率8%に変更

計測例:89.2%時のグラフ

最低:84.7%、最高:100%、平均91.9%
更に安定感は増しましたが、48年間で平均リターン8%は相当に難しいと思われるため、現実的にはどうでしょうか。リターン率を変更しての検証はここまでにします。

ここからはリターンを悲観的に見た時に、資産がどれだけあれば達成できるか、掛け合わせの結果を見ていきます。

(7)ベース案からリターン率2.5%に変更

計測例:5.9%時のグラフ

最低:4.9%、最高:25.1%、平均12.1%
予想通りですが、かなり成功率が下がっています。ここから資産を上げて変動を見ていきます。

(8)ベース案から資産1億、リターン率2.5%に変更

計測例:68.0%時のグラフ

最低:56.2%、最高:86.7%、平均76.0%
リターン4%時は92.6%あった成功率が76%まで低下しています。
1億あっても安泰とは言えない領域です。

(9)ベース案から資産1.5億、リターン率2.5%に変更

計測例:93.6%時のグラフ

最低:88.2%、最高:99.0%、平均93.3%
ここまで資産があれば安泰と言ってよいと思いますが、42歳で資産1.5億はかなりハードルが高いと言えそうです。

42歳の段階で、これだけの資産を持つのも、リターン率を上げるのも、いずれにしてもかなりハードルが高い印象です。そこで最後は最も現実的(?)な、リタイアする年齢を42歳から52歳に10年遅らせて検証してみます。

(10)ベース案からリタイアを更に10年後(52歳)に変更

計測例:92.5%時のグラフ

最低:83.1%、最高:97.7%、平均89.8%
資産5000万、リターン4%でも成功率がかなり高くなった事が分かります。
役職定年が55歳ごろと考えると、仮に役職の人でもそこから年収は減少傾向になりますし、このあたりが現実的とも言えるでしょうか。

補足

・条件に子供がいる場合を加えると、子供が出来るタイミング次第で大きく変わりますが、だいたい資産がベース+2000万と考えれば良いと思います。
・完璧なFIREとまでいかなくても、年収が下がっても耐えられると考えれば、老後の安心度合いは増すと言えます。その場合は資産やリターンをもっと低く見ても大丈夫になります。
・資産が減ってきたら倹約や、追加で働いて収入を得る等も出来るので、臨機応変に対応できれば実際の成功率はこれよりも高くなると思います。

まとめ

この記事では、FIREの成功率を色々な条件を変更しながら検証してみました。
やはり資産やリターン率を上げないと、現実的には厳しいと言えますが、いつまでに幾ら貯めるという目標が出来たり、安心のための材料にしたりと、色々活用出来る機会は多そうです。
より自身の実際の数値に近づけたい場合は、こちらの記事を参考にツールを利用してみて下さい。

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