廃止が決まり、逆にお得な制度となったジュニアNISA。
一定程度の条件を満たす方には非常にお得なジュニアNISAの詳細をまとめます。
そもそもジュニアNISAとは
金融庁の紹介ページより要点引用します
利用できる対象 | 日本に住む未成年者の人 |
非課税対象 | 株式・投資信託等への投資から得られる 配当金・分配金や譲渡益 |
口座開設可能数 | 1人1口座 |
投資可能期間 | 2016年~2023年 |
非課税期間 | 最長5年間 |
非課税投資枠 | 新規投資額で毎年80万円 |
運用管理者 | 口座開設者本人(未成年者)の 二親等以内の親族(両親・祖父母等) |
必要な所だけ補足していきます。
利用できる対象
未成年なので0-19歳を指しますが、成人年齢引き下げに伴い、2023年には0-17歳に変わります。
投資可能期間・非課税期間
制度開始は2016年ですが、使い勝手が悪く利用数が伸びなかったため、NISA制度改定に合わせ2023年に廃止が決まりました。
元の制度では最長5年でしたが、現時点で2022年のため、今から口座開設しても新規投資出来るのは2年です(後述しますが2年経過後も非課税運用可能です)
非課税投資枠
新規投資額で80万円です。売って買ってを繰り返したとしても、新規投資出来るのは80万円までのため、頻繁に売り買いしない使い方が想定されます。
旧ジュニアNISAの問題点
18歳まで原則払い出し不可
子どもの為に貯めるお金である物の、通常は払い出しが出来ず、解約して払い出しすると過去の期間の利益すべてに課税されるため、非課税メリットが無くなるという重い制約がありました。
18歳までの間に利益確定したい場合や、私立に行くことになり急にお金が必要になる様な場合に対応ず、使い勝手が非常に悪い制度となっていました。
新ジュニアNISAの改善点
ポイントは以下の3つです。
・2023年までは毎年新規投資額で80万円まで投資可能
・18歳になるまで非課税で運用が可能
・2024年以降なら途中解約しても遡って課税されない
2023年の制度終了後は、継続管理勘定という口座に移管されますが「移管後も非課税運用可能」「将来はNISA口座に引継ぎ可能」です。
2022年から開始すると2023年の終了時までに160万投資するのが限度となりますが、悪しき制限がすべて撤廃されたため、逆に「資金に余裕があるならやらないと損」と言えると思います。
ジュニアNISAの口座数推移
こちらも金融庁のNISA・ジュニアNISA利用状況調査で公開されています。
制度開始は2016年1月1日です。
年月 | 口座数 | 純増数 | 増加率 |
2016/06 | 138,672 | – | – |
2017/06 | 226,626 | 87,954 | 163% |
2018/06 | 285,544 | 58,918 | 126% |
2019/06 | 328,982 | 43,438 | 115% |
2020/06 | 383,073 | 54,091 | 116% |
2021/06 | 569,639 | 186,566 | 148% |
3年目以降は伸びが鈍化していましたが、2020年に税制改訂が行われた後は大きく伸びている事が確認出来ます。
お得な制度に変わった事を皆が認識してきた証拠ですね。
金融庁は3ヶ月ごとに数字を公表してきましたが、2021年10月の公表を最後に更新していません。現時点では更に増加している物と思われます。
まとめ
この記事では制度廃止によって使い勝手が抜群に良くなったジュニアNISA制度について変更点を中心にまとめました。
対象となる子どもがいて、余裕資金がある方に限定される物の、非常にお得な制度に変わっていますので検討されてみてはいかがでしょうか。