金利と債券価格についての、月1の定期観測記事です。
債券に投資する上では、理解しておいたほうが良い米国金利と債券の関連性について、深堀りしてまとめました。この記事では、米国債券ETFの中でも代表的なiシェアーズ・コア 米国総合債券市場 ETF[AGG]と対比しながら見ていきます。
AGGを分析した記事は、こちらに別途まとめています。
2021年5月までのおさらい
米国金利と債券動向の関連性をまとめました(2021年5月版)参照ですが、ポイントのみ抜粋します。
米国10年債の直近15年の推移
大きい流れとしては、金利は下落傾向ですが底を打って上昇しています。ポイントとしては、図中に丸で囲んだ点になります。
2007/6/29->2008/12/30で落下が一段落
2010/3/31->2012/07/31で落下が一段
2016/9/30->2018/10/31で上昇が一段落
2018/10/31->2020/07/31で落下が一段落
AGGの推移
これらのタイミングでAGGがどういう値動きをしたのか見てみます。
金利が下がったタイミングではAGGが上げ、金利が上がったタイミングではAGGが下げていることが分かり、10年債との比較では綺麗に相関関係が見て取れます。
次に、気になる”？”の部分がどうなのかを見ていきます。
直近1ヶ月の動向
まずは米国10年債の1ヶ月(10月初～11月初)のチャートです。
ここ数ヶ月上がり続けてきた金利が調整に入り、1.4%台まで落ちてきました。アメリカは利上げが意識され始めた事もあり、調整を挟みながら今後上昇していくと思われます。
急上昇とならないようFRBが調整していくと思われますが、調整が上手くいくのか、注視が必要な状況になっています。
次にAGGの10月初～11月初のチャートです。
金利の急下降に合わせて、値が急上昇。114台から115台まで戻してきており、金利が下がると債券価格が上がるという想定通りの動きです。
直近6ヶ月の動向
まずは米国10年債の6ヶ月(6月初～11月初)のチャートです。
2021/8/4から緩やかに上ってきた金利が急調整に入りました。今後も米国金利利上げの方針が出るたびに値が動くと思いますが、テーパリング時期も明確になり、またインフレ問題も出てきているなか、長期的には上昇傾向になると想定します。
次にAGGの6ヶ月(6月初～11月初)のチャートです。
一時113台にまで下がってきました。今後の金利上昇を想定すれば値は下がっていくと思われます。
まとめ
順調に上昇を続けていた金利は10/21を境に急調整が入っています。
先月から動きが激しくなってきており、今後も暫く目が話せない展開になりそうです。
今後も定期的に情報を更新していきます。
【参考】
