現在募集中の「カゴメ株式会社第1回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」で気になる点をまとめてみました。
カゴメが発行する社債は1996年以来、27年ぶり、個人向けは初めてとの事です。
(楽天証券の募集ページはこちら)
基本情報
購入は2月9日(木)から先着順です。
本債券の特徴は、何と言っても「ブロックチェーン技術を使った「デジタル特典」」です。オンラインショップに登録した社債購入者に、同社の野菜ジュース「つぶより野菜」を15本進呈します。
登録した購入者の情報は、みずほフィナンシャルグループのブロックチェーン技術によりカゴメが直接取得できる仕組みとのことです。
確定前情報
最低購入金額は10万円から、10万単位で増額可能です。
仮条件は0.05%~0.35%となっており、2/8に確定します。中間値であれば0.2%となり、債券単体でみたときの魅力はそれほど高くないですが、今回はデジタル特典があります。
確定情報
※条件確定しましたので情報を追記します(2/8)
0.2%となりました。確定前情報の中間値なので妥当なラインでしょうか。
デジタル特典である「つぶより野菜」の情報は次の通りです。
通常の店では売られておらず、カゴメの直販である「健康直送便」でのみ販売されている商品です。
2023年2月時点で、1本298円、15本で4471円とかなり高価な野菜ジュースです。
仮に最低金額10万円投資したとすると、特典の利回りは4.471%とかなり高利回りになります。
なお何口投資しても、貰えるジュースは1セットなので注意です。
投資家は商品が限定される物の、高利回り。企業は自社製品のアピールでファンを増やせて双方お得という仕組みですね。
検討のポイント
①社債間限定同順位特約付
説明:“社債間限定同順位特約とは、同じ発行体が発行した複数の無担保社債間において、利金や償還金の受取りに有利不利が生じないようにする(受取る権利を保護する)為に付与される特約です”
無担保社債を出した後に有担保の社債が出されると、無担保社債を購入した方が債権者の立場として弱くなるため、それを防止するために他の債券も無担保にする(同条件を保証する)制度です。
カゴメは業績安定企業で潰れる心配はほぼ無しです。
②期間 ③第1回
期間1年で第1回となっています。詳細は次の通りです
第1回 | |
利率 | 0.2% |
利払日 | 8/21、2/21 |
発行日 | 2023/2/21 |
償還日 | 2024/2/21 |
期間 | 1年 |
発行額 | 10億円 |
募集対象 | 個人 |
投資単位 | 10万円 |
格付 | A |
期間1年で発行額も10億との事で、資金調達というよりは知名度向上やファン獲得の手段として位置づけていると思います。
ちなみにカゴメは株主優待も実施していますが、100株で2000円相当の商品。株価が2023/2/2時点で3035円のため、優待獲得には約30万の投資が必要で、こちらよりも今回の債券の方が低リスク・低ハードルだと思います。
まとめ
この記事では「カゴメ株式会社第1回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」についてまとめてみました。
ブロックチェーン技術を使ったデジタル特典付きのユニークな試みです。
興味のある方は検討してみては如何でしょうか。